デジタルアートやコレクターズアイテムを筆頭に話題を集めているNFT。
その中でも、「NFTドメイン」は、NFTジャンルの中でも実用性への期待から、注目を集めています。この記事では、NFTコレクターのみならず、インターネットドメイン登録者もこぞって購入しているNFTドメインについてそのメリットと注意点、最新の活用方法から将来の考察まで徹底解説していきます。
目次
NFTドメインとは、イーサリアム(Ethereum)をベースとした各種ブロックチェーン上で発行されるNFTの一種であり、暗号資産の送受で使用されるブロックチェーンアドレス(0xから始まる42文字のランダムな英数字)を任意の文字列として変換し、可読性を持たせるWeb3プロダクトです。
暗号通貨の送金をする場合、送金先のウォレットアドレスを何回も確認した経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
NFTドメインは、ウォレットアドレスと任意の文字列を紐づけ、可読性を持たせることにより、銀行口座の「口座名」のような役割を担います。「口座名」=ドメイン名があることにより、送金前の確認の手間が省け、気軽にウォレットアドレスを共有することができるようになります。
また、取得したNFTドメイン1つで対応している様々な暗号通貨を送受信できるため、通貨ごとにドメインを取得したり、アドレスを管理していく必要もありません。
詳細は後述しますが、NFTドメインにはウォレットアドレス名としての利用以外にも、活用方法があります。
主な活用事例
今は限定的な使われ方でいますが、今後Web3サービスの普及と技術革新に伴い、必要不可欠なWeb3ソリューションになることが、期待されています。
NFTドメインは、インターネットのドメインと同じようにドットで区切られた文字列で表現されます。
しかしながら、その機能や特長はWebやメールで使われているインターネットドメインとは様々な点で異なります。こちらでは、以下の点からその違いを説明します。
従来のドメインの機能は、IPアドレスをわかりやすい文字列に変換し、Webサイトやメールにアクセスできるようにするものです。一方NFTドメインは、ブロックチェーンアドレス(0xから始まる42文字のランダムな英数字)をわかりやすい文字列に変換します。
意味をなさない数字(英数字)とドメイン名を変換し、ユーザーに利便性をもたらすという点では、大きな違いはありません。
変換するもの
参考:インターネットドメインの仕組み
主として挙げられるインターネットドメインの機能は、IPアドレスを文字列に変換機能です。
本来ウェブサイトは、IPアドレスにアクセスし、サーバーに通信することで、サーバー上のウェブコンテンツを表示させます。しかしながら、IPアドレスをすべて記憶し正確にアクセスするには、非常に難しいため、人がわかりやすく判別できるようにドメインが存在します。
DNS(ドメインの名前解決)の詳細はこちら
従来のドメインは、ICANNという非営利組織のドメイン管理団体が存在し、ドメインやIPアドレスの管理などを行っています。そのドメインは、レジストリやレジストラを通して広く利用されます。
ここでのポイントは、従来のドメインは、レジストリからレンタルしているということです。
NFTドメインは、ICANNやレジストリといった中央集権的な組織が間にないため、その所有権と管理責任は100%取得者本人にあり、ドメインの利用停止などの概念は存在しません。利用の自由度については、NFTドメインの方が高いといえます。
購入価格や利用料の発生タイミングにも違いがあります。
インターネットドメインは、登録、更新、移管、これらのタイミングで料金が発生します。レジストラやドメインの種類、購入タイミングなどにより、価格帯は様々です。
※ .comなどのTLD、1年更新を想定
NFTドメインは、発行サービス事業者により、更新概念の有無や提供TLDなどが異なります。中央集権の管理団体がないため、このあたりのルールが統一化されていません。
CryptoNameが提携している「Unstoppable Domains」では更新の概念がなく、登録費用のみで完結します。
また、NFT特有のガス代(ブロックチェーンに書き込むための手数料)もかかりません。登録時に支払う、登録費用のみで永久的に利用することができます。
10年間ドメインを保有し続けた場合の価格比較
複数の抜粋した項目で比較しましたが、仕組みとして共通点はあるものの、様々な点で異なることがわかります。
次の項目では、NFTドメインでできることについて説明いたします。
NFTドメインでは、先に説明したように主に4つの利用用途があります。この項では、利用シーンについてより具体的に説明します。
NFTドメインの基礎的な機能といっても過言ではないでしょう。覚えづらいウォレットアドレスに名前を付けることで、暗号資産の送受信に係るストレスが大幅に緩和されます。
暗号資産のやりとりには、ウォレットアドレスの指定が必要になります。先述したとおり、42文字の英数字を正確に覚えることは、普通の人間にはできません。仮想通貨の大手取引所には、ウォレットアドレスのコピー&ペースト機能が備えられているものの、初めて自分のウォレットアドレスに送金する時など、何度も確認をした経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
ウォレットアドレスを誤って送金してしまっても、メールなどのようにエラーメッセージは返ってきません。誤送金をした場合、事実上、その暗号資産を失うことになります。そのため、送金前に何度も確認を行い、送金テストを行います。
NFTドメインの利用により、ウォレットアドレスに名前が付くことにより、そのような暗号資産の送金前のストレスを大幅に緩和することができます。
Unstoppable Domainsのウォレットアドレス設定方法はこちら
NFTドメインをデジタル上の個人証明に利用する動きが活発化してきております。
CryptoNameが提携しているUnstoppable Domainsは、NFTドメインの機能の中で「デジタルアイデンティティ」に最も注力しています。
一般的なWebサービスでは、そのサービスを利用するにあたり、サービス側が提供するアカウントを用います。ユーザーは、サービスを利用する際、初期のアカウント登録を行います。しかも、その都度、名前やメールアドレス、住所などを入力します。また利用のたびに、IDやパスワードを入力しなければいけません。
何十、何百といったアカウント管理、パスワードの変更といった、アカウント管理に膨大なストレスと時間を要していることになるでしょう。
Web3のサービスでは、サービス提供側が顧客の個人情報を保有することは極めて少なく、ユーザーがサービスを利用する際に、サービス提供側が顧客のウォレットに接続し認証することがベーシックな認証方法です。
NFTドメインをウォレットに紐づけていると、NFTドメインのみで認証を通すことができます。しかも、都度パスワードを入力する手間はありません。
これからは、個人の情報をサービス側に預けるのではなく、個人が情報をブロックチェーンに記録し、許可した情報にサービス側が参照するというようになっていきます。
SNSの普及により各サービスでそれぞれ情報発信をしている人が増加しています。そのSNSリンクをひとまとめにするサービスが増えてきております。代表的なサービスは、Litlink(リットリンク)が挙げられるでしょう。アーティストや俳優といった著名人の利用も目立ち、各サービスの概要欄やプロフィールに、リットリンクのURLを掲載する方も増えています。
Unstoppable DomainsのNFTドメインは、リットリンクさながら、プロフィールをNFTドメインに紐づけることができ、公開することが可能です。
設定できる項目は以下のとおりで、今後様々な個人情報を紐づけることができ、Web3のアカウントとして活用の幅が広がることになるでしょう。
閲覧ブラウザの制限や、検索エンジンのインデックスなど、一般利用にはまだまだ課題は残りますが、NFTドメインを使ってのWebサイト公開は可能です。
分散型Webサイトの利点として、特定の管理者やサーバーに依存しないというWeb3の特長からその管理者が引き起こす障害・不具合を回避することができます。また、国や事業者などの検閲に強く、事業者ポリシーの違反により、Webサイトの停止などの措置がとられることはほぼないと言ってよいでしょう。
様々な課題や問題点は多いものの、今後の技術革新により分散型Webサイトの一般化という未来もすぐそこまできているかもしれません。
NFTドメイン(ブロックチェーンドメイン)は、文字列自体がNFT(Non-Fungible Token ノン-ファンジブルトークン)であるため、対応しているNFTマーケットプレイスなどで販売が可能です。
既存のインターネットドメインも、マーケットプレイスは存在し、ドメインが持つ情報やその文字列に価値が出て販売・再利用するという動きもあります。
ただし、そこで生み出す利益は、売主と買主の間にのみ発生し、転売後の利益を最初のドメイン登録者が享受することはできません。
NFTの売買でユニークかつ新しい点は、転売後の利益も最初の出品者が享受できることにあります。
文字列が持つ意味に投資価値が見出されていますが、今後はそのドメインの利用歴などの情報が紐づけられ、価値を高めていくという未来も来るかもしれません。
NFTドメインについて、諸々解説してきましたが、「NFTドメイン」はどこで発行され、どのように購入するかなど、詳細を説明いたします。現在NFTドメインは、複数のサービスで購入することが可能です。代表的なサービスについてご紹介します。
本サービス「CryptoName」の提携先であり、NFTドメインのトッププロバイダーといっても過言ではないでしょう。提供TLDも多岐に渡り、圧倒的な登録数を誇ります。
NFTドメインの元祖ともいえるNFTドメインプロバイダーです。サービス提供会社ではなく、開発チームとDAOによる運営がなされています。2022年8月現在、.ethドメインが200万件に達したという報道がありました。多くの著名人やサービスブランドが.ethを取得しております。
.metaverseや.web3などといったWeb3を容易に想起させるTLDを発行しているとともに、ドメインの中にはNFTアートが付属しているものがある点が、他サービスとは異なるユニークな点です。
多くのメリットがあり、将来を期待されるNFTドメインですが、課題も存在します。
スマートコントラクトの仕組み上致し方ない側面はありますが、ドメインに紐づいたウォレットが丸見えになってしまう点や、分散型Webサイトが一般化されていないなどが挙げられます。
既存のインターネットドメインとは技術的な背景が違うものの、世間の期待は、それと同等な機能や使い方ができた上で、Web3ならではの使い方がプラスオンされるという点ではないでしょうか。
今後の技術革新により、デジタルアイデンティティ機能が充実し、資格や個人証明のようなパーソナルデータと紐づくかもしれませんし、Webサイトのような情報発信のためのプロダクトになるかもしれません。
現在、明確な解答は誰も持ち合わせていないと思いますが、さらなる利便性の向上と実現の可能性が期待されているプロダクトであることは間違いないでしょう。
CryptoNameは、GMOインターネットグループ株式会社が運営する、NFTドメイン登録サービスです。当サービスは、日本で唯一Unstoppable Domainsと協業するNFTドメイン登録サービスで、Unstoppable Domainsが提供するすべてのNFTドメインを購入することができ、CryptoNameのサイトから各ドメインの価格や登録状況を確認することができます。
今後、登録代行サービスや既存ドメインレジストラサービス、GMOインターネットグループのWeb3事業との連携を予定しております。
NFTドメインの登録や文字列の検索は下記の、NFTドメイン検索ボックスから行うことができます。